腎臓保護にもっとも効果のある治療は?
ずばり、「血圧を下げる」です。血糖値やコレステロールも大事ですが、腎保護に一番効果があるのは血圧コントロールです。
血圧を下げていくと、尿たんぱくが出なくなり、eGFRも改善していく人も多くいます。
血圧の目標は130/80未満です。上の血圧が120台を目標!!と覚えてください。下の血圧よりも上の血圧が大事です。
お年寄りや少し弱ってきた方は無理のない範囲で血圧を下げます。ふらつきなどが出たら下げ過ぎかもしれません。医者に相談を。
血圧をキチンと下げるためにやる事
①家庭血圧を測りましょう。病院の血圧より家の血圧が病気予防に重要なことがわかっています。
②塩分を減らしましょう。1日3~6gに(塩分摂取量は尿から推定できます)。
ただし汗を多くかくときはちゃんと摂取を。
③血圧の薬をきちんと飲みましょう。(一般的にACE阻害薬、ARBという薬が腎保護では第一選択ですが、個人に合わせて処方します)
腎臓保護の基本
①血圧120台、②禁煙、③血糖(HbA1c7%未満)、④肥満の解消、が大事!!
(スタッフ向け補足)
●糖尿病を合併し、たんぱく尿があるCKD患者は、ARBやACE阻害薬が第一選択薬(併用は副作用↑なのであまりしない)。
●たんぱく尿がない患者は、カルシウム拮抗薬が第一選択(まだエビデンスははっきりせず)。
●ARB、ACEは高カリウム血症に注意。Kが5.5以上で減量、6.0以上で中止。
高血圧ガイドライン2014より
腎機能は30歳代から加齢とともに低下するが,日本の健診受診者のデータから推測される加齢によるGFRの低下は,0.3mL/分/年程度ときわめて小さいと報告されている。一方,高血圧を合併する場合は、4 8mL/分/年の低下にもなりうる。
参考
高血圧ガイドライン2014、医師・コメディカルのための慢性腎臓病 生活・食事指導マニュアル2015