2018年11月27日(火)に南部糖尿病ネットワークの勉強会が行われました。
今回は、アルコール依存症について、糸満晴明病院の先生方からお話して頂きました。
一般の内科では、アルコール問題はなかなか解決できずに苦労します。
まずは、ご家族から晴明病院のように専門の施設、スタッフに連絡をとり、話を進めていくことが大事だと感じました。
1、「アルコール問題への相談支援について ~関係機関との連携を通して~」
糸満晴明病院 精神保健福祉士 山城 涼子 先生
2、「生活習慣病としてのアルコール問題へのアプローチ」
糸満晴明病院院長 稲冨 仁 先生
以下、内容の大事だと思ったポイントです。たくさんありましたが抜粋。
イネイブリングとは
・アルコール依存症者が飲み続けることを可能にする周囲の人々の行為のこと
⇒身の周りの世話、警察や職場への対応等 酒を飲んでも困らない環境を作ってしまう。
イネイブラーとは
・イネイブリングをしてしまう人のこと
・イネイブラーになりやすい人(家族や恋人等、依存症者の近くる人)
⇒「本人に良かれと思って」「世間体を気にして」という理由でイネイブリングを繰り返す
家族支援について
家族の支援介入を行う際の7つの基本姿勢
⑴家族を責めたり、批判したりしない
⑵これまでの家族のしてきた様々な努力を認めて労う
⑶「自責の念」にとらわれすぎず「希望」をもち未来のために行動できるよう働きかける
⑷アルコール依存症という病気や家族関係など現状を正しく理解できるよう支援する
⑸回復のために効果のない関りを減らし効果のある関りを増やせるよう支援する
⑹とのに支援計画を作成し適宜見直しながら、継続的に支援を行う
⑺家族及び本人が利用できる地域資源についてはよく理解しておく
※1~3、7は各医療機関にご協力いただきたい範囲
- 断酒には本人の意思による可能な期間を設け、成功体験を積み重ねていくことが必要。本人の飲酒に繋がった性格や気質が浮き彫りになり、結果、断酒継続への繋がりにもなる。断酒するに至り、うつ傾向になる場合も多く注意が必要。
- ハームリダクションという考え方。「断酒」ではなく、本人と話しながら、「節酒」という選択肢も出す。断酒よりもう少し柔らかいイメージ。
- 断酒目標期間の設定が。短期目標は3ヶ月。中期は1年。長期は3年とか。
- 依存症の回復過程
①飲みたいけど、飲めない。
②飲みたいけど、飲みたくない。頭もスッキリするし仕事も捗るという実感。
③たまには飲みたくなることもあるが、飲む必要がない。(ここまで3年位?)
<家族相談>
糸満晴明病院では、ご家族からの相談を受けています。ご希望の方は当院の地域医療相談課へ。TEL098-997-2011《相談料金:1時間1080円》
支援者とご家族が一緒に来院しても構いません。
アルコール出張相談
糸満晴明病院は豊見城中央病院で毎月アルコール出張相談を行っています(H29.3~)アルコールの問題でお困りの本人、家族からの相談に対応し、必要に応じて当院への受診に繋げています。相談時に糸満晴明病院の受診予約を取ることもあります。
山城涼子先生、稲富仁先生、本当にありがとうございました。大変勉強になりました。