内科学会誌の2016年4月号が「内分泌・代謝疾患の救急~初期対応のポイント~」という特集でした。少し古くなりますが、勉強がてらまとめてみようと思います。
当院でも関連のありそうな、Refeeding症候群、低血糖性昏睡、高血糖緊急症などを順次まとめて行くつもりです。
食欲不振での栄養療法
●六君子湯や経腸栄養剤に含まれている中鎖脂肪酸(MCT)6g/日以上の摂取は血中グレリンを増加させ、食欲増進につながる。
●長期の栄養低下時に、IVHで栄養を開始する場合は、水分量1000ml/日、エネルギー500ml/日程度から開始し(西崎病院ではフルカリック1号が903ml、560kcal)、200~
250kcalを2,3日おきに増量。(フルカリック2号が1003ml、820kcal)
●1000kcal/日を超えると過剰栄養による肝障害などに注意。
●脂肪乳剤はリン補充のためにも週2回以上使用。(西崎病院ではイントラリポス20%、250ml、500kcal)
●必要に応じて微量元素も補充。
Refeeding症候群
●長期間の絶食などから栄養を再開したときに、水分、リン、マグネシウム、VitB1欠乏などの急激な変動が心不全や死を引き起こすことがある。
●特に低P血症が死因になる。24~72時間以内にP値が低下し1.0mg/dl以下で乳酸アシドーシスが生じる。栄養開始時に低リン血症を注意することが重要。
●予防として脂肪乳剤の投与。(西崎病院のイントラリポスでは4mmmolのリン含有(1日量の1/3~1/4)。
●経口ならアルギーナなどのリンを多く含む栄養剤も。