2018年5月29日 9時半〜12時半
沖縄看護協会にて
テーマ:認知症ケア・緩和ケアに役立つ
タクティール®︎ケア
講師:日本スウェーデン福祉研究所
木本明恵先生
訪問看護の経験ありまた、タクティールケアのインストラクターでもありタクティールケアの本も出版されている先生。
■タクティール®︎ケアの始まり
タクティールケアの発祥は、スウェーデン。
未熟児担当していた看護師アルデビィが
医師に言われて未熟児を良く触るようにした、そういう事していたら、体重が増えてきたり良い事がたくさんおきてきた!アルデビィさんは、未熟児だけではなく、他の部署に異動した際にもそこの患者さんにやってみて良い事が増えてきた。それがもとで日本でも広がってきた。眠剤飲んで、5分後に眠れない、眠れないと訴えてくる患者さんがいます。薬が効いてくるまでの20〜30分の間にタクティールケアしてみて下さい。
■スウェーデンでは、いじめ予防でタクティールケアを学習のプログラムに入れている。
■タクティール®︎ケアとは
タクティールとは触れるというような意味。
タクティール®︎ケアは、両手で10分程度、背中や手、足を押す、揉むのではなく、動きはゆっくり、1秒5センチ進む 心地よいスピードで包み込むように触れる。
これは、職種は限定せず、どなたにでも出来るケア、治療を目的とした医療行為ではありません。
■タクティール®︎ケアを有意義にしているもの
・オキシトシンという 幸せホルモンが出てくる。気の合う友人とワイワイする時にも、たくさんオキシトシンが出ている!
不安が強い患者さんに、肩でも手でもいいから触りながら大丈夫ですよーって声をかける。
・ゲートコントロール説、痛いの痛いの飛んでいけ!っていうような方法で、痛覚の感覚が軽減される。
■タクティール®︎ケアがもたらすもの
なんとも言えない心地よさ。穏やかそうな表情で気持ちいいねぇと言われます。触れられてあったかいと感じる事ができる。下肢の浮腫が良くなったり、腸の蠕動運動が、良くなりトイレに行ったり食欲も出てくる方もいる。またコミュニケーションが良くなる。
触れられている方だけでは、触れる方にもオキシトシンが分泌される、双方に効果がある。
■タクティール®︎ケアに関する海外の研究
2型糖尿病女性患者を対象に、10日間実施したところ、ストレス緩和から血糖値が低下した。
■タクティール®︎ケアに関する国内の研究
認知症の患者さんに週に5日間実施したところ、攻撃性が改善され精神的に落ちついてきた。
■認知症になると
今の出来事や最近の出来事を覚えている事が難しい。認知症の患者様に、どうしたいのか聞く姿勢も大事ですが、認知症の患者様は、今自分がどうしたいのか、何をしたいのかわからないので、聞かれてもわからないし、余計困ってしまう場合もあります。認知症という病気が本人らしい暮らしの継続を妨げている。
■認知症の人とタクティール®︎ケア
タクティールケアしながら、その方の観察を通して気づく事が出てきます。信頼関係の構築、不安や苛立つの軽減。便秘の改善。
よく、タクティールケアしたら、何日くらい効果が持ちますか?と質問がきます、これは個人差がある10分〜数日。
アルツハイマー認知症で言葉が出てこなくなった患者様が、少しだが話すようになってきた事もありました。
■緩和ケアとタクティールケア
全人的痛みの緩和に活用。
タクティールケアにより、オキシトシン分泌されその作用により、鎮痛・鎮静効果。
タクティールケアしたから、じゃあお薬は要りませんねという意味ではありません。お薬だけでは不安な患者様に対してのエッセンスになる。
■タクティール®︎ケアは
タクティールケアしてる際は、おしゃべりはしない。決まった手順、ルールでする。
相手が話してきたら、反復する、話しがわかる方であれば、タクティールケアする前に、おしゃべりはしないで、気持ち良かったらそのまま寝て下さいと説明して下さい。
・相手と向き合い
・決まった手順で
・ゆっくりと
7〜8分でオキシトシンが全身に行き渡る!
■タクティール®︎ケアを行うと
・身体に関心をもつ
・身体認識をする
・穏やかな笑顔
場所を選ばず、いつでも、どこでも、どなたでも
タクティールケアは、介護士や訪問リハビリや家族同士でもされてきている。
■フローレンス・ナイチンゲールは
看護にとって大事なこと、患者の反応に注目し、患者に触れ、環境をはぐくみ、治療ではなくむしろ心を配ること。
タクティールケアは患者に注目、触れるケアである。
■たくさん触れて下さい!
触れられる事が苦手な方もいるという事を理解して下さい。
■【わたしにふれてください】
もしわたしがあなたの年老いた父親なら
どうぞ、わたしにふれてください。
あなたが小さかったときに、わたしがあなたにふれたと同じように、わたしの手をにぎり、わたしのそばにすわって、わたしを力づけてください。
わたしの疲れた体によりそい、あたためてください。
わたしは随分しわくちゃになってしまったけれど、あなたのやさしさに力づけられる。
どうぞ、何も恐れないでただ、わたしにふれてください。(フィリス・K・デイビス作)
研修の残り時間でタクティールケア体験しました。タクティールケアして 観察し何かしら気づく事があると思います。
〜研修受けての感想〜
身体抑制されてる患者様や、何かしら不安や問題行動がある患者様に実際に取り組み評価して行く予定です。
また、今年7月に県内で2日間、タクティールケアの資格が取れる研修があるという事なのでぜひ参加したい、そしたら、介護や熱心な家族にも指導出来ると思う。
沖縄看護協会研修に参加♪「認知症ケア・緩和ケアに役立つ」
2018年6月6日