西崎病院ブログ

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歯周病を治療するとHbA1c0.36%改善する(かもしれない)

糖尿病患者に対する歯周病治療ガイドライン2014を読み返す機会があったので、まとめてみます。 ●HbA1c9%以上だと歯周病悪化が顕著になる。 ●歯周治療によってHbA1cが改善するかどうかは、はっきりしていないが、歯周治療が効く糖尿病患者… 続く

糖尿病患者に対する歯周病治療ガイドライン2014を読み返す機会があったので、まとめてみます。

●HbA1c9%以上だと歯周病悪化が顕著になる。
●歯周治療によってHbA1cが改善するかどうかは、はっきりしていないが、歯周治療が効く糖尿病患者群が存在すると思われる。(高感度CRPが高いような重度の歯周病をもつ糖尿病患者なら効果あるか?)
●糖尿病患者に歯周基本治療を行う際でも、菌血症に対する対処は特に必要ない。
●ただし血糖コントロールが不良な患者では、術前術後の抗菌薬の予防投与を行うことが望ましい。顕性尿たんぱくが陽性の患者はなおさら注意。
●歯周外科治療などの観血処置を行う際は、HbA1c7%未満を目標とする。
●糖尿病患者に対してインプラントを行う際は、血糖コントロール、罹病期間、合併症の有無などを考慮すべき。

参考文献
日本歯周病学会
www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_diabetes.pdf

沖縄県南部地区歯科医師会にも糖尿病と歯周病がまとめられています。
nanshi-oki.org/kiji/tounyou.php

2015年のコクランレビューです。
onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD004714.pub3/full
ここでは歯周病治療によって0.29%改善するかも(エビデンスは弱いけど)、となっています。

糸満市健康推進課との慢性腎臓病・糖尿病個別連携会議

7月11日に糸満市健康推進課のスタッフの方と連携会議を行いました。特定健診などで指導をする際のコツや悩みなどを話し合いました。結構鋭い質問で大変でした。 勉強したことをまとめてみます。 ●中性脂肪が1000mg/dlを超えるような人への指導… 続く

7月11日に糸満市健康推進課のスタッフの方と連携会議を行いました。特定健診などで指導をする際のコツや悩みなどを話し合いました。結構鋭い質問で大変でした。
勉強したことをまとめてみます。

●中性脂肪が1000mg/dlを超えるような人への指導
中性脂肪が1000(500~という本も)を超えると急性膵炎のリスクが高くなる。もしアルコールあるなら減らしましょう。それでも高いならフィブラート系の内服を(あまりエビデンスなし)。
中性脂肪が500弱なら内服なしもあり?(中性脂肪を下げることで心血管疾患がよくなるというエビデンスが少ない)。
なので、まずは中性脂肪以外のLDL、血圧、肝機能(アルコール)などチェック。血管や寿命に与える影響は、中性脂肪よりもそっちがはるかに高いので、そっちを優先して指導を。

●空腹時血糖が120mg/dlと比較的高いのに、HbA1cが4~5%と良い人は指導すべきか?
貧血や異常ヘモグロビン症などでHbA1cと血糖がかい離することはありますが。。。。
本当に空腹時血糖だったのか、まずは再検査?気になるなら75gブドウ糖負荷試験をしてもよいかも。
(補足)平均血糖≒(HbA1c-2)×30。

●心電図の「完全右脚ブロック(のみ)」はどうすべきか?
循環器の神山先生と話しましたが、基本的はほぼ心配ない、とのことですが、「日本人間ドック学会 心電図健診判定マニュアル」ではC判定になる。
健診で心電図をすることの意義についての話も。なかなか難しい。。。
www.choosingwisely.org/patient-resources/health-checkups/

はっきりと答えられるようなものはなく、議論しながらお互い勉強した、という感じです。しかしとても勉強になりました。今後も定期的にこのような会議ができればと思います。

2016年6月24日 西崎糖尿病・健康教室(2)「糖尿病の種類、しくみについて」

健康教室は偶数月の第4金曜日、13:15~ 西崎病院外来待合室で行っていく予定です。 次回は8月26日、内容は「科学的根拠のあるダイエット」あたりにしようかと思っています。 スタッフ向けに糖尿病の基礎用語の説明も行いました。7月に沖縄県地域… 続く

健康教室は偶数月の第4金曜日、13:15~ 西崎病院外来待合室で行っていく予定です。
次回は8月26日、内容は「科学的根拠のあるダイエット」あたりにしようかと思っています。

スタッフ向けに糖尿病の基礎用語の説明も行いました。7月に沖縄県地域糖尿病療養指導士の講習会があるので、それの予習も兼ねてです。

糖尿病の定義(診断方法)
•空腹時血糖値(FBS)126mg/dl以上
•随時血糖値or75gブドウ糖負荷2時間後で200mg/dl以上
•HbA1c 6.5%以上
上記のいずれかの検査結果が見られた場合に「糖尿病型」と診断する。
これらが別々の日に2回以上認められるか、口渇・多飲・多尿・体重減少など糖尿病の典型的な症状、確実な糖尿病網膜症が認められた場合に「糖尿病」と診断する。


糖尿病の治療目標
健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、健康な人と変わらない寿命の確保が目標。
•HbA1c7%未満が標準目標。余命短、認知症、ADL低下などの時は8~8.5%未満を目標に。
•空腹時血糖130、食後2時間で180未満を目標にするとだいたいHbA1c7%未満になる。
•そのほか、体重、血圧、脂質のコントロールも!


糖尿病に関する最低限のキーワード
• 血糖値(血中のブドウ糖濃度、空腹時で126以上、食後で200以上が糖尿病)
• HbA1c(1~2ヶ月の平均血糖の指標、6.5%以上が糖尿病)
• インスリン(血糖を下げる唯一のホルモン)
• 膵臓(インスリンを出す臓器)
• 低血糖発作(血糖値が60以下。異常な空腹感、動悸、ふるえなどが出現。吸収の良い糖分を取りましょう)
• 炭水化物1g4kcal、タンパク質1g4kcal、脂質1g9kcal
• 合併症(糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症(し・め・じ)、その他に脳梗塞、心筋梗塞、足壊疽など)。
• シックデイ(糖尿病患者が嘔吐下痢や発熱で食事が取れない時。薬やインスリン、血糖値の調節が必要なので早めの病院受診を!)

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