西崎病院ブログ

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糖尿病 血糖値 西﨑病院 糸満市座波371-1 098-992-0055 講演会

FreeStyleリブレまとめ(2017/02/20現在)

2/26にすこしプレゼンをすることになったので、リブレの症例を出そうと思います。
勉強がてらまとめてみました。
現在のところ自費で導入をしています。はやく保険適応ができるようになって欲しい。

Flash Glucose Monitoring(FGM)=FreeStyleリブレTM(アボットジャパン)
•FreeStyleリブレ(フリースタイルリブレ)
–指先穿刺なしにいつでも血糖値が測定できるシステム
–上腕背部に装着したセンサーにリーダーをかざすと現在の血糖値
(正確には間質液のグルコース濃度)が分かる。(以下血糖値と表記)
–センサー内に記憶された血糖を読み込み、リーダーにグラフとして表されるため、持続血糖測定器のような使用法が可能。
–センサーは14日間使用可能。
–指先穿刺での較正が不要。(測定範囲 40~500mg/dl)

FreeStyleリブレのコツやクセ、注意点(以下は個人的な意見込)
•まだ保険適応なので自費。
•透析、妊婦、6歳未満は禁忌。(データがない)
•MRI(わかる)、CT(!)、X線(!!)の時には外す。(データがない)
•8時間ごとにリーダーをかざさないと24時間血糖のグラフが途切れてしまう。特に夜間注意。(センサーのメモリが8時間まで)
•指先穿刺の血糖値より10分ほど遅れる。
皮下組織間質液のブドウ糖濃度の変動は中枢神経における変動をラグなく反映するとの報告も。
•初日は誤差が大きい。低めに出る?(間質液がなじむまで数日)
•センサー値を過大評価しない。おかしいときは指先穿刺を!!
•皮膚のかぶれはiPro2より少ないよう。まだ夏場は不明。

個人的な感想
1型糖尿病(+インスリン依存2型)に関して
•血糖値の推移が把握できるが、コントロールは良くならない!?(参考資料参照)
•→良くするには、カーボカウントや追加打ちが必要?
•運動や運転、睡眠前などの血糖値と傾向(今後下がりそうなのか上がりそうなのか)は簡便にチェックできる。
–低血糖は減りそう。
•本当は小児・妊娠中の糖尿病こそ、使いたい!

以下参考資料・文献

Flash Glucose-Sensing Technology as a Replacement for Blood Glucose Monitoring for the Management of Insulin-Treated Type 2 Diabetes: a Multicenter, Open-Label Randomized Controlled Trial
•強化インスリン療法の2型糖尿病224人を
FGM群とSMBG群に割り付け6か月フォロー
•無作為、非盲検化
•主要評価項目はHbA1c
•結果
–HbA1cは有意差なし、65歳以下は差あり。
–低血糖はFGM群はSMBG群に比べてほぼ半減
–満足度は有意に高値
–Diabetes Therapy February 2017, Volume 8, Issue 1, pp 55–73
•アボットの資金提供あり

Novel glucose-sensing technology and hypoglycaemia intype 1 diabetes: a multicentre, non-masked, randomized controlled trial
•1型糖尿病241人をにFGM群とSMBG群に分け6か月フォロー
•無作為、非盲検化
•主要評価項目は低血糖頻度(70mg/dl未満)
•結果
–1日を通してFGM群が低血糖が有意に減少。(SMBG群の半分近くまで減少)
–HbA1cは有意差なし
–満足度は有意に高値
–Lancet. 2016 Nov 5;388(10057):2254-2263.
•アボットの資金提供あり

日本先進糖尿病治療研究会によるCSII およびCGM に関するステートメント糖尿病57(6):403~415,2014
1)CSII 時の活用法
•CGM を用いることで以下のようなCSII 治療におけるインスリン注入量の設定が
可能となる.
•a)無自覚性低血糖の検出
•b)暁現象の存在やその開始点の検出
–時刻ごとに細かく基礎インスリン注入速度の調節を行うことができる.
•c)運動や仕事など異なる生活強度による血糖変動の検出
–異なった生活運動強度に対する基礎注入の変更,一時基礎注入レートの調節が
行える.
•d)食事時間・内容ごとに異なる血糖変動の検出
–追加インスリン量そのものの調節だけではなく,例えば高脂肪食にスクエアボーラスを用い,一時的に基礎インスリン注入速度を上げる,といった食事内容・組成に
対する追加注入パターンの調節が可能となる.
•e)患者説明への応用
–患者に実測した1 日の血糖変動パターンを図示することで理解が得られやすく,
患者教育および患者のモチベーション向上にも有用である.
2)MDI 時におけるCGM の活用法
MDI を行っている患者でも,CSII 療法の場合と同様に,以下のことが明らかになる.
a)基礎インスリン注射と夜間の低血糖,高血糖さらには暁現象の有無.
b)食事とインスリン注射のタイミング,血糖値の関連,インスリンの種類と血糖値の関連.
c)運動と血糖値変動の関連.
d)仕事や身体活動と血糖値の関連.
e)生活パターンの異なる日での血糖値の違い.
f)感染症と血糖値の関係.
g)血糖値に大きく影響しているインスリン注射手技の不確実性の発見.

この中で最も汎用されるのは,夜間の血糖をモニターし,基礎インスリンの調整,あるいは食後の血糖変動を見て追加インスリンの調整,これらの2 点である.インスリン依存
状態の症例に対する特効型インスリンアナログなどによる基礎補償においては,
0―3 時頃までの低血糖や,3 時から起床時間までの暁現象による血糖上昇が
評価できることである.また,CGM中にインスリン注射を行い,比較することによりその
インスリン手技の評価もできる.

これって認知症?~認知症の気づきと対処法~

南部地区医師会より、第5回市民講座のお知らせです 日時:平成28年1 1月13日(日)開演14:00~16:00 会場:南部地区医師会館(老健施設東風の里)2階多目的ホール 当院副院長 脳神経外科の國吉毅先生が、 「これって認知症?~認知症… 続く

南部地区医師会より、第5回市民講座のお知らせです
日時:平成28年1 1月13日(日)開演14:00~16:00
会場:南部地区医師会館(老健施設東風の里)2階多目的ホール
当院副院長 脳神経外科の國吉毅先生が、
「これって認知症?~認知症の気づきと対処法~」をテーマに
特別講演をおこないます。
入場無料となっておりますので、ぜひお越しくださいませ(^^)

(以下は2012年に以前の勤務先でまとめていたものです)
糖尿病になると、認知症になる確率が上がります。

世界の調査をまとめたものでは、1.5倍~2倍ほどアルツハイマー型認知症になりやすいようです。

iospress.metapress.com/content/g16878t646635637/

65歳以上の日本人を15年追跡した研究では、(福岡県の久山町研究)、耐糖能異常では脳血管性認知症に4.2倍、アルツハイマー病で4.6倍なりやすい、という結果があります。ちなみに糖尿病患者だけを7年追跡した時は、差がなかったようです。これは、糖尿病患者が認知症が出現する前に比較的若くで死亡するからかもしれない、と記述されています。

www.rouninken.jp/member/pdf/18_pdf/vol.18_01-23-06.pdf

(日本語のPDFで分かり易いです)

今回は、認知症にならないための予防法と、認知症になったときの対処法をまとめてみました。認知症といっても、脳血管性、アルツハイマー型などいろいろありますが、今回は全部ひっくるめています。

※認知症にならないために(一般的なこと)

• 運動をする。

• 生活習慣病の治療をする。(脳卒中予防のため)

• サプリメント・栄養食品の効果は分かっていない。

• 魚料理、ナッツ類は良さそう。

• 少量の酒は良いかも。(赤ワインをグラス1杯位が良さそう、多すぎはダメ)

• 社会活動を続けるのは良いかも。

• 頭をあまりぶつけないようにする。

• 禁煙する。

参考:日本神経学会認知症疾患治療ガイドライン2010

www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_2010_05.pdf

※認知症にならないために(糖尿病で気をつけること)

• 重症低血糖をなるべく避ける(最優先)。

• 元気な年齢なら、どんな時でも血糖180mg/dl以下を目指す(HbA1c6.9%以下)

• 低血糖の危険が高くなる年齢になったら、HbA1c8%以下でOK。(低血糖予防のため。なるべく300mg/dl以下)

• 他の生活習慣病の治療をする。

参考:

Hypoglycemic Episodes and Risk of Dementia in Older Patients With Type 2 Diabetes Mellitus.(2型糖尿病患者において、重症低血糖の既往は認知症の危険を高める。軽い低血糖との関係は明らかでない。) jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=183750

Mid- and Late-Life Diabetes in Relation to the Risk of Dementia A Population-Based Twin Study. (13000人の双子の研究において、糖尿病では認知症のリスクは上昇する。中年に発症した糖尿病の方が、高齢に発症した時よりも認知症になりやすい。)

diabetes.diabetesjournals.org/content/58/1/71.full

Guidelines for Improving the Care of the Older Person with Diabetes Mellitus (アメリカ老年医学会 高齢者に対する糖尿病ガイドライン 2003年)

www.americangeriatrics.org/files/documents/JAGSfinal05.pdf

※糖尿病で認知症になったら

• 認知症にもいろいろな種類があります。まずは、どんなタイプか診てもらう。

• 副作用の少ない薬にする。(まちがって飲んでも大丈夫なように)

• 飲み方を簡単にする (毎食直前などは大変)。

• 自覚症状のない低血糖に注意。(自己血糖測定器があると便利)

• 急に状態が悪くなった時にどこまでの延命治療をするか、話し合っておく。

• シックデイに注意!!

シックデイ(病気の日):糖尿病では、病気などのストレスで血糖が上がりますが、同時に食欲が落ちて食事が取れないことがあります。このようなときに薬やインスリンをどうするか、とても難しくなります。その時の対処法をシックデイルールといいます。

www.dm-net.co.jp/seminar/12_/

その他参考

Effect of the treatment of Type II diabetes mellitus on the development of cognitive impairment and dementia (糖尿病患者への治療が認知症の改善に影響するかはまだエビデンスが足りない。2009年のコクランレヴュー。)

onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD003804/abstract

西﨑病院 糸満市座波371-1
098-992-0055

糖尿病療養指導士の講習会に出席しました。

2015年12月5,6日に糖尿病療養指導士の認定更新者用講習会が那覇で開かれました。私は6日の講師として出席しました。糖尿病性腎症から透析に進行していく症例に、どのように療養指導を行っていくか、というのを5~6人のグループワークをしながら考… 続く

2015年12月5,6日に糖尿病療養指導士の認定更新者用講習会が那覇で開かれました。私は6日の講師として出席しました。糖尿病性腎症から透析に進行していく症例に、どのように療養指導を行っていくか、というのを5~6人のグループワークをしながら考えるというものでした。各グループから少しずつ発表してもらったのですが、病気だけでなく、生活や心理面に配慮した処方提案や工夫があり、いい刺激になりました。

今回の沖縄の講習会参加者は66人。全員が沖縄の医療機関のスタッフでした。2日間で各グループ2回は発表できるようです。福岡や東京の講習会は200~300名ですから、まあ同じことは無理でしょう。本土の糖尿病療養指導士の方は、沖縄で受講するのもおススメだと思います。密度は濃いし、講義終わればちょっとしたリゾート気分になれます。会場にミラーボールもありますし。

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