2/26にすこしプレゼンをすることになったので、リブレの症例を出そうと思います。
勉強がてらまとめてみました。
現在のところ自費で導入をしています。はやく保険適応ができるようになって欲しい。
Flash Glucose Monitoring(FGM)=FreeStyleリブレTM(アボットジャパン)
•FreeStyleリブレ(フリースタイルリブレ)
–指先穿刺なしにいつでも血糖値が測定できるシステム
–上腕背部に装着したセンサーにリーダーをかざすと現在の血糖値
(正確には間質液のグルコース濃度)が分かる。(以下血糖値と表記)
–センサー内に記憶された血糖を読み込み、リーダーにグラフとして表されるため、持続血糖測定器のような使用法が可能。
–センサーは14日間使用可能。
–指先穿刺での較正が不要。(測定範囲 40~500mg/dl)
FreeStyleリブレのコツやクセ、注意点(以下は個人的な意見込)
•まだ保険適応なので自費。
•透析、妊婦、6歳未満は禁忌。(データがない)
•MRI(わかる)、CT(!)、X線(!!)の時には外す。(データがない)
•8時間ごとにリーダーをかざさないと24時間血糖のグラフが途切れてしまう。特に夜間注意。(センサーのメモリが8時間まで)
•指先穿刺の血糖値より10分ほど遅れる。
皮下組織間質液のブドウ糖濃度の変動は中枢神経における変動をラグなく反映するとの報告も。
•初日は誤差が大きい。低めに出る?(間質液がなじむまで数日)
•センサー値を過大評価しない。おかしいときは指先穿刺を!!
•皮膚のかぶれはiPro2より少ないよう。まだ夏場は不明。
個人的な感想
1型糖尿病(+インスリン依存2型)に関して
•血糖値の推移が把握できるが、コントロールは良くならない!?(参考資料参照)
•→良くするには、カーボカウントや追加打ちが必要?
•運動や運転、睡眠前などの血糖値と傾向(今後下がりそうなのか上がりそうなのか)は簡便にチェックできる。
–低血糖は減りそう。
•本当は小児・妊娠中の糖尿病こそ、使いたい!
以下参考資料・文献
Flash Glucose-Sensing Technology as a Replacement for Blood Glucose Monitoring for the Management of Insulin-Treated Type 2 Diabetes: a Multicenter, Open-Label Randomized Controlled Trial
•強化インスリン療法の2型糖尿病224人を
FGM群とSMBG群に割り付け6か月フォロー
•無作為、非盲検化
•主要評価項目はHbA1c
•結果
–HbA1cは有意差なし、65歳以下は差あり。
–低血糖はFGM群はSMBG群に比べてほぼ半減
–満足度は有意に高値
–Diabetes Therapy February 2017, Volume 8, Issue 1, pp 55–73
•アボットの資金提供あり
Novel glucose-sensing technology and hypoglycaemia intype 1 diabetes: a multicentre, non-masked, randomized controlled trial
•1型糖尿病241人をにFGM群とSMBG群に分け6か月フォロー
•無作為、非盲検化
•主要評価項目は低血糖頻度(70mg/dl未満)
•結果
–1日を通してFGM群が低血糖が有意に減少。(SMBG群の半分近くまで減少)
–HbA1cは有意差なし
–満足度は有意に高値
–Lancet. 2016 Nov 5;388(10057):2254-2263.
•アボットの資金提供あり
日本先進糖尿病治療研究会によるCSII およびCGM に関するステートメント糖尿病57(6):403~415,2014
1)CSII 時の活用法
•CGM を用いることで以下のようなCSII 治療におけるインスリン注入量の設定が
可能となる.
•a)無自覚性低血糖の検出
•b)暁現象の存在やその開始点の検出
–時刻ごとに細かく基礎インスリン注入速度の調節を行うことができる.
•c)運動や仕事など異なる生活強度による血糖変動の検出
–異なった生活運動強度に対する基礎注入の変更,一時基礎注入レートの調節が
行える.
•d)食事時間・内容ごとに異なる血糖変動の検出
–追加インスリン量そのものの調節だけではなく,例えば高脂肪食にスクエアボーラスを用い,一時的に基礎インスリン注入速度を上げる,といった食事内容・組成に
対する追加注入パターンの調節が可能となる.
•e)患者説明への応用
–患者に実測した1 日の血糖変動パターンを図示することで理解が得られやすく,
患者教育および患者のモチベーション向上にも有用である.
2)MDI 時におけるCGM の活用法
MDI を行っている患者でも,CSII 療法の場合と同様に,以下のことが明らかになる.
a)基礎インスリン注射と夜間の低血糖,高血糖さらには暁現象の有無.
b)食事とインスリン注射のタイミング,血糖値の関連,インスリンの種類と血糖値の関連.
c)運動と血糖値変動の関連.
d)仕事や身体活動と血糖値の関連.
e)生活パターンの異なる日での血糖値の違い.
f)感染症と血糖値の関係.
g)血糖値に大きく影響しているインスリン注射手技の不確実性の発見.
この中で最も汎用されるのは,夜間の血糖をモニターし,基礎インスリンの調整,あるいは食後の血糖変動を見て追加インスリンの調整,これらの2 点である.インスリン依存
状態の症例に対する特効型インスリンアナログなどによる基礎補償においては,
0―3 時頃までの低血糖や,3 時から起床時間までの暁現象による血糖上昇が
評価できることである.また,CGM中にインスリン注射を行い,比較することによりその
インスリン手技の評価もできる.