西崎病院ブログ

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インフルエンザ 予防注射・ワクチン 健康教室 西崎病院

2019年10月25日 西崎病健康教室

2019年10月25日(金)西崎健康教室を開催しました。

今回のテーマは「インフルエンザの薬について」

講師は 薬剤師 松田 和之

インフルエンザを防ぐには
・手洗い ・うがい ・消毒
・マスク ・咳のエチケットを守る
・インフルエンザ予防接種
睡眠・栄養をしっかり摂って免疫力を高め「予防」を心がける。

抗インフルエンザウイルス薬の種類、副作用、インフルエンザ予防する漢方についても分かりやすく説明していただきました。

当院ではインフルエンザワクチンの予防接種受付中です。
但し、0~3歳未満のお子様、4~12歳でインフルエンザ予防接種を一度も受けたことがない方は、申し訳ございませんがお受けいたしかねます。

お問い合わせは
西崎病院 (098)992-0055

次回の健康教室は、12月27日(金)
テーマ「口腔ケアに関して」
講師は、西崎病院 歯科衛生士
午後13:15分~13:45分 西崎病院 外来待合室にて

どなたでもお気軽にどうぞ~♪

医療法人以和貴会・社会福祉法人以和貴会 合同研究発表会のお知らせ 11月10日

11月10日(日)に
 
医療法人以和貴会・社会福祉法人以和貴会
 
「合同研究発表会」を開催致します。
 
今年の特別講演は、
 
公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会
終活カウンセラー 東恩納 寛寿氏による
 
「上手く生きるための終活」 です。
 
今年は「沖縄県医師会館」にて行います。
 
参加ご希望の方は、別紙参加申込書(西崎病院受付で配布)に必要事項を記入の上、FAX(098)992-0052 までお申込みください。
 
以和貴会ホームページからも、申込書をダウンロードできます。
 
どなたでも、お気軽にご参加ください。

2019/07/11 第93回南部糖尿病ネットワーク

「高血糖緊急症を考える」

国立病院機構熊本医療センター 糖尿病内分泌内科

西川武志先生

西川先生は、私が熊本大学での師匠で、ミトコンドリアと糖尿病の研究で有名です。今回は、糖尿病ケトアシドーシスや(DKA)や、高血糖高浸透圧症候群(HHS)という、実臨床に即したお話をしていただきました。教科書やガイドラインに書かれていることから、日本でまだエビデンスがなく、今調査している領域の話まで、とても勉強になりました。

 

復習として、教科書的な内容を備忘録として以下にまとめてみます。

 

  1. 高血糖緊急症(hyperglycemic crisis)の病態は?
    1. 糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリンの絶対的不足が原因。
    2. 高血糖高浸透圧症候群は、インスリンの相対的不足が原因。

 

  1. 糖尿病ケトアシドーシスの診断基準2.アシドーシス(pH7.3未満、HCO3 18未満)静脈血ならHCO3 15未満。
  2. 3,ケトーシス(βヒドロキシ酪酸の増加)
  3. 1.高血糖(250以上)

 

  1. 高血糖高浸透圧症候群の診断基準
  1. 高血糖600以上。
  2. 有効浸透圧320以上
  3. Hは7.3以上、 HCO3は18~20

※血漿浸透圧と有効浸透圧は違う!

  • 血漿浸透圧≒2×NaGlu/18BUN/2.8

2つの溶液間での相対的な浸透圧活性、水の移動を起こす力を有効浸透圧、または張度という。尿素やアルコールは浸透圧に寄与しうるが、細胞膜を自由に通過しうるので、細胞内液と細胞外液感の浸透圧さを生じさせない。(静脈経腸栄養 Vol.24 No.3 2009 27769))

  • 有効浸透圧≒2×NaGlu/18  ←血漿浸透圧からBUNがなくなる。

ついでに

※偽性低ナトリウム血症

血糖値の上昇100に対してNaは+2として考える。ざっくりですが。補正しましょう。

4.DKAHHSが混ざったような症例もあるようだ。ジョスリンにかかれている。

5.ソフトドリンクケトアシドーシス:2型糖尿病患者が糖を含むドリンクで、血糖がどんどん上がる悪循環から、著しい高血糖とケトアシドーシスをきたす病態。欧米白人での症例報告は殆ど見られない。

 

6.DKAは胃腸症状が出るので、腸炎などと初診されてしまうことがある。体重減少や血糖チェックをするとわかる。

 

7.Ketosis-prone type3 diabetes(ケトーシスになりやすい2型糖尿病)KPDが、意外にいるかもしれない。

 

8.正常血糖ケトアシドーシス:血糖値が300以下で、HCO3 10以下の状態。軽いケトアシドーシスというイメージ。SGLT2阻害薬によるDKAはこれの特徴を持つことが多い。2型でもなるし、1型でもなる。

SGLTによる正常血糖DKAは内服開始すぐに出ることが多い。SGLTを内服中は、尿ケトンをチェックし、陽性の場合はアシドーシスになっていないかチェックすべき。特に全身倦怠や悪心嘔吐がある場合は注意。

 

9.抗PD-1抗体薬による劇症1型糖尿病に注意。あっという間に上がるので、血糖値が高いのにA1Cが低いといって油断しない!入院して様子見ても良い。

 

10.高血糖緊急症は精神科疾患合併症例が多い。

高血糖緊急症の意識レベルは、pHよりも血漿浸透圧と密接な関連がある。

発症時の血漿浸透圧が320未満なら他の意識障害の原因を考えるべきである、とジョスリンに書かれている。

 

11.高血糖緊急症の合併症に血栓症があるようだ(これは教科書にまだ書かれていない?)。脳梗塞はもちろん、下肢の動脈血栓、静脈血栓注意。下肢痛や血小板減少、Dダイマーのモニターを。

勉強会のあとに、南部の糖尿病専門の先生方を交えて食事会をしました。医療の話はもちろん、ワインや燻製、絵の話で大いに盛り上がりました。オレンジワイン美味しかった!

 

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