西崎病院ブログ

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2017年10月

看護師が行う糖尿病患者のフットケア

チームスタッフの研修会メモより

1、フットケアの基礎知識
最後まで自分の足で歩けるように支援する
足潰瘍の発生原因の69%が靴ずれ、DM患者の下肢切断率は1万人/年で健常者の15~40倍。再発率も高く40~70%/1~3年
2、予防的フットケアの特徴
対象はDMと診断されたすべての患者の足
フットケアの必要性→①足病変の発声を予防②異常の早期発見③重症化を予防し患者のQOLを低下させない④セルフケアへの働きかけ
3、足の解剖生理
足の骨格→200個の骨(全身の1/4を占める)
足のアーチ構造→①足を前に蹴り出す②衝撃を和らげるクッション③足底の筋肉や神経の保護
弯曲が強い→甲高、横アーチのつぶれ→開帳足、内側のアーチの潰れ→偏平足
下肢の静脈→心臓に戻る際逆流を防ぐ弁の役割を果たしているのが静脈弁
下肢の動脈→DMの下肢動脈硬化は両側性で広範囲に生じる、ふくらはぎの部分の動脈閉塞が多い
4、足病変予防の為の検査
①神経障害
知覚神経:怪我に気がつきにくくなる→モノフィラメント
運動神経:歩き方が変わるので怪我や胼胝の原因になりやすい→音叉、アキレス腱反射
自律神経:血流低下により汗が出なくなり乾燥する→心電図RR間隔変動、起立性低血圧
「糖尿病性神経障害を考える会」診断基準を参考にすると良い
②血流評価
皮膚温:足全体の冷感、左右差
脈拍触知:足背動脈、後脛骨動脈の触知、左右差
色:チアノーゼの有無、爪の色
疼痛:疼痛の有無、左右差、挙上時と下垂時の疼痛の違い
他に画像診断(ABI、TBI、SPP、MRI、頚動脈エコー)、感染評価がある
5、足病変
・角化症
胼胝:圧を受けた深部に角質のトゲ状に入り込み痛みを伴う
鶏眼:慢性的に圧を受けた部分の肥厚、痛みは伴わない
・白癬
・爪の異常
巻き爪:爪が横方向を向いている
陥入爪:爪の角がトゲのように軟部組織に刺さり炎症を起こした状態
6、リスクの高い患者
足の潰瘍・壊疽や下肢切断の既往がある
腎不全や透析中
閉塞性動脈硬化症など末梢循環障害がある
糖尿病神経障害が高度
足指や爪の変形、胼胝がある
血糖コントロールが不十分
視力障害が高度でセルフケアが不足
外傷を受ける機会が多い
一人暮らしの高齢者だったり、足の衛生保持が不十分
足病変自体を知らない
喫煙者
7、足病変予防の為のセルフケア
①清潔を保つ:
②乾燥・蒸れを防ぐ
③皮膚の圧迫・ズレを防ぐ
④血流を保つ
⑤危険を避ける
8、フットアセスメントをするために
①手で触る→角質部や足の温度、動脈の確認
②見る→胼胝、鶏眼、傷、白癬の有無。足や爪の色の確認
③嗅ぐ→浸出液や創部の臭いは?

自身がDMチームに参加している為、興味はあるがなかなか学ぶ機会がなかった内容だったので、とても有意義な研修となった。
DMとフットケアは切り離せないもので、基本の観察の仕方やセルフケアまでを含めた患者との関わりを学ぶことができた。
アセスメント方法のグループワークでは、他の参加者と考えることで自分にはない視点や観察眼を知ることができ、現場に沿った内容を学べた。
爪切りの実技では、自分の想像以上に正しいとされている爪の長さがしっかりとあって、実際に確認することができたのが良かった。
フットケアは糖尿病ケアの基本となるので、自身観察眼だけでなく、患者自身が主体的に取り組めるように働きかけていきたい。

西崎健康教室を開催しました。今回のテーマは「バランスの良い食事ってなに?」担当は西崎病院栄養課ということで、栄養素や、献立のたてかたについて、わかりやすく説明していただき、とても参考になりました。次回は12月22日(金)を予定しています。テーマは「リハビリ」なので、ジャージで参加されるといいいかもよ?とのことです(・∀・)!

医療法人以和貴会 西崎病院さんの投稿 2017年10月26日(木)

第55回糖尿病九州地方会参加

10月に行われた地方会で、糖尿病チームの立ちあげから2年あまりの活動内容を発表してきました。

初日は、チームを率いる先生の発表でした。やはり、先生は場慣れしているので、落ち着いて聞くことができました。が、会場によってスクリーンの大きさや位置が変わり、やりにくそうだなと感じました。

 

各会場で、コメディカルの発表も多くありました。発表の予習も兼ねていくつか興味ある演題に参加しました。使い終わったインスリンの針を数えた発表では、針の数があわず、針の使い回しや、針の劣化(折れ)が見つかってました。また、PAID (糖尿病問題領域質問表)では、病歴が長くなっても、食に対する心理的負担は軽減があまりないことが分かり今後の指導の勉強になりました。

 

翌日は、午後から私の発表です。予習も何回かしましたが、かなりの緊張でした。しかも、会場を下見していなく、いざ会場へ入ると、天井も高く、スクリーンも巨大。とても大きな会場でびっくりしました。3番目の発表なので、20分ほど待ち時間があり、何とか落ち着いて発表することはできました。

発表時間も余りがあったので、途中から「当院は」を「西崎病院は」に全てかえました笑。少しはアピールできましたか。

海ぶどう糖会の歓送迎会と糖尿病学会九州地方会2017

9月いっぱいで糖尿病チームの小林明美さんが転勤になりました。海ぶどう糖会の名付け親です。チームを立ち上げから約2年間最重要メンバーの一人として頑張っていただきました。糖尿病療養指導士として専門知識を持っているだけでなく、メンバーも患者さんも自然に集まってくれる飾らない性格で、チームを動かしてくれていました。

ありがとうございました。新天地でも、きっと大活躍していくものと思っています。

1013,14日には、宮崎市のシーガイアでの2017年糖尿病学会九州地方会に参加しました。私、山城武司とナースで糖尿病療養指導士の玉城ユリさんの2演題、西崎病院として始めての糖尿病学会発表です。チームを立ち上げて2年あまりで、なんとか学会発表までたどり着きました。これからも糸満の健康寿命を伸ばすこと、自分たちのレベルアップに精進して行きたいと思います。

私は初めて座長に指名され、なんとかセッション(週1GLP-1製剤)を仕切ってきました。突然順番が変わったり、演者が変わったりで、ドキドキしましたが。今回感じたことを、次回のための座長心得として書いておきます。

 

○発表者の名前、所属、題名の漢字の読み方チェック

○電波(orGPS)時計必須、1演題ごとに予定時刻を書いておく。

○セッション内で時間調節して。延長は絶対ダメ。

○演題の分野の復習はしましょう。

○抄録は必ず読むこと。余裕があれば演者やキーワードでネット検索したら関連発表などが出てくることも。

○抄録みながら質問も考えておくと良いかも。

○今回は、座長から拍手をして会場の誘い水にしましたが、時間がないときは拍手はいらない。(会場の空気にもあるが、座長がしなけりゃ拍手ない会場も多い)

○逆に、拍手出したいときは座長から積極的に。拍手が出るタイミングで出しゃばっってしゃべって拍手の芽を摘み取らない。

○とにかく、時間通りが必須。早く終わるほうがまし。

 

他にもあるかもしれませんが、思い出したら付け足します。

 

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