西崎病院ブログ

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南部糖尿病ネットワーク 糖尿病 西﨑病院 糸満市座波371-1 098-992-0055

2019年1月28日 南部糖尿病ネットワーク

2019年1月28日 南部糖尿病ネットワーク

 

今回の南部糖尿病ネットワークでは、臨床心理士の高橋先生と、リハビリテーション科Drの滝吉先生より講義をしていただきました。

 

備忘録がてら、自分が勉強になったところを自分の言葉でまとめてみました。

高橋先生は日本では恐らく唯一?の糖尿病専門として勤務する臨床心理士だそうです。

1.『患者の人生から考える糖尿病療養支援』

ハートライフクリニック 糖尿病内科心理室 高橋紗也子先生

 

アメリカでは1940年代より1型小児へのサマーキャンプをしていた。(ジョスリンDr

1970年にはCDEがアメリカで始まった。

ジョスリン医療センターの玄関には、患者さんの家で、インスリンや食事の指導をしているCDEの絵が飾られている。

 

知識の伝達型の療養指導(糖尿病教室もコレ)→知識を行動へ動機づけ型→患者の力を引き出すエンパワーメント型へ。

エンパワーメント型は患者さんのことをよく知らないとできない。

エビデンスも大事だが、エビデンスはあくまで平均。

パターナリズム(医療者→患者)から治療同盟(患者⇔医療者)

 

本人の 精神疾患・生活背景・家族関係・生育歴・経済力・知的理解など、こういうのは樹の育つための土壌のようなもの。土壌によって、枝や葉っぱ(糖尿病に対する関わり方)も変わる。枝葉だけじゃなくて、その患者さんの背景も理解して!

 

患者の背景を探るには、会話もよいが、質問紙(PAID質問表)を使うと、数値としてみえるし、変化を追うことができる。質問項目を通して意外な発見もできる。

 

糖尿病の「経験」

絶えざるコントロール:血糖測定・食事時間・食べ方・コントロール。

人生における喪失:身体的・経済的・チャンス、食べる自由など。。。。

将来への不安:合併症への恐怖、老後。。。

科学とは違うのが経験。

 

 

2.『脳卒中後遺症を考慮したDM治療 ~麻痺,嚥下障害.失語症.半側空間無視など~

沖縄徳洲会南部徳洲会病院 リハビリテーション科医長 滝吉優子先生

 

脳卒中の新規発症は30万人/

脳卒中後に寝たきりでもない、認知症でもない、生産年齢の自立した方の復帰が難しい。

勤労者世代の脳卒中患者の80%は退院時予後は治癒または警戒しているにもかかわらず、復職率は51%。

復職コーディネータが介入すると82%まで上昇する!!

 

麻痺対策

カフ付きスプーン、バネ付き箸、返しつき食器(片手でもスプーンでスープなどがうまく取れる←コレ良さそう!)

釘付きまな板(芋などさして使える)

 

失語症

理解できるパンフレット。理解度に注意。なんでもウンウンしていることもある。たまにはNoの質問もしてみる。

 

半側空間無視

茶碗の半分だけ残してしまう。左に視線走査の目印を。一包化しても半分残すリスクに注意。

 

嚥下

歯は大事に!。

とろみをつけると、落ちる経路とスピードが変わる。ムセがへることも多い。

刻みは介護食。誤嚥のリスクになる。歯が悪い人にはいいが、嚥下障害が悪い人には帰って危ない。

ワレンベルグ症候群:歩く嚥下障害。胃ろうのヒトもいる。

 

左の片麻痺は半側空間無視、集中力低下が多い。

右片麻痺は失語症、観念失行が多い。ので鬱になりやすい。知能が落ちているわけではない。

 

脳卒中後などの社会復帰は、本人も家族も我々医療関係者も尻込みしてしまいがちですが、リハビリテーションを通じて、もっともっとやればできるものだと感じました。

 

高橋先生も滝吉先生もエネルギッシュで、とても刺激を受けました。ありがとうございました。

第89回南部糖尿病ネットワーク

20181127日(火)に南部糖尿病ネットワークの勉強会が行われました。

今回は、アルコール依存症について、糸満晴明病院の先生方からお話して頂きました。

一般の内科では、アルコール問題はなかなか解決できずに苦労します。

まずは、ご家族から晴明病院のように専門の施設、スタッフに連絡をとり、話を進めていくことが大事だと感じました。

 

1、「アルコール問題への相談支援について ~関係機関との連携を通して~」

   糸満晴明病院 精神保健福祉士  山城 涼子 先生

 

2、「生活習慣病としてのアルコール問題へのアプローチ」
糸満晴明病院院長   稲冨 仁 先生

 

以下、内容の大事だと思ったポイントです。たくさんありましたが抜粋。

 

イネイブリングとは

・アルコール依存症者が飲み続けることを可能にする周囲の人々の行為のこと

⇒身の周りの世話、警察や職場への対応等 酒を飲んでも困らない環境を作ってしまう。

イネイブラーとは

・イネイブリングをしてしまう人のこと

・イネイブラーになりやすい人(家族や恋人等、依存症者の近くる人)

⇒「本人に良かれと思って」「世間体を気にして」という理由でイネイブリングを繰り返す

 

家族支援について

家族の支援介入を行う際の7つの基本姿勢

⑴家族を責めたり、批判したりしない

⑵これまでの家族のしてきた様々な努力を認めて労う

⑶「自責の念」にとらわれすぎず「希望」をもち未来のために行動できるよう働きかける

⑷アルコール依存症という病気や家族関係など現状を正しく理解できるよう支援する

⑸回復のために効果のない関りを減らし効果のある関りを増やせるよう支援する

⑹とのに支援計画を作成し適宜見直しながら、継続的に支援を行う

⑺家族及び本人が利用できる地域資源についてはよく理解しておく

※1~37は各医療機関にご協力いただきたい範囲

 

  • 断酒には本人の意思による可能な期間を設け、成功体験を積み重ねていくことが必要。本人の飲酒に繋がった性格や気質が浮き彫りになり、結果、断酒継続への繋がりにもなる。断酒するに至り、うつ傾向になる場合も多く注意が必要。
  • ハームリダクションという考え方。「断酒」ではなく、本人と話しながら、「節酒」という選択肢も出す。断酒よりもう少し柔らかいイメージ。
  • 断酒目標期間の設定が。短期目標は3ヶ月。中期は1年。長期は3年とか。
  • 依存症の回復過程

①飲みたいけど、飲めない。

②飲みたいけど、飲みたくない。頭もスッキリするし仕事も捗るという実感。

③たまには飲みたくなることもあるが、飲む必要がない。(ここまで3年位?)

 

<家族相談>

糸満晴明病院では、ご家族からの相談を受けています。ご希望の方は当院の地域医療相談課へ。TEL098-997-2011《相談料金:1時間1080円》

支援者とご家族が一緒に来院しても構いません。

 

アルコール出張相談

糸満晴明病院は豊見城中央病院で毎月アルコール出張相談を行っています(H29.3~)アルコールの問題でお困りの本人、家族からの相談に対応し、必要に応じて当院への受診に繋げています。相談時に糸満晴明病院の受診予約を取ることもあります。

山城涼子先生、稲富仁先生、本当にありがとうございました。大変勉強になりました。

消防訓練を実施しました

11月29日 西崎病院、介護老人保険施設サクラビア合同で消防訓練を実施しまた。
 今回病棟は夜勤帯でスタッフの少なくなることを想定した訓練で、初期消火・通報・避難誘導の3つを念頭に置いて訓練を行いました。

初期消火訓練を行うサクラビア、透析センタースタッフ

リハビリセンター、外来フロアから、避難誘導を行う様子

訓練終了後に行った各フロアミーティングの様子

 

消防訓練を毎年2回実施していますが、今後もこれを継続し、来院される方々、患者様の安全と安心に努めていきます。

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