西崎病院ブログ

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研修報告《看護研究入門編》

2018/05/26  9時30分〜16時30分
沖縄県看護協会にて
【看護研究入門編 】
講師:沖縄県立看護大学・大学院        神里みどり先生
        
がん看護専門の先生で、臨床はオペ室と国場組の産業保健師されていたようです。
今日は看護研究の基本的なお話し…。
⚫研究論文をたくさん読んで、いろんなスタイルがある事を知る。
⚫研究テーマ決めるのが一番難しい!
⚫見つけた素晴らしい研究を、患者の為になるか話しあって、現場で使えるようにカードにして、エビデンスを実践現場で活用する。
…講師の先生、アツく語っていました。
⚫現場で起きてる課題を見つけて、研究テーマにする!
⚫巨人の肩の上に立つ…、自分がひらめいた事は、すでにたくさん研究されているはずです、まずはたくさんの研究論文を読みましょう!
⚫EBP(Evidence Based Practice)の要素
・最善の研究に基づく根拠
・臨床の専門的知識技術
・患者の価値観

講師から会場への質問
あなたの病棟、あるいはあなたが問題と感じていること、困っていることはありませんか?
会場から…
①スタッフ不足で患者へのケアがおろそか
②感染症受け入れ病棟だが、感染症への対応がスタッフによってバラバラ。

⚫重要な研究の特徴
・皆さんの現場の課題、関心のあるもの
・広範な文献レビュー、どれだけ文献や論文読んだらいいかという質問がきますが、読めるだけ読んだ方がいいです。なぜかというと、たどり着くところが見えてこないといけないから。読む事でたくさん情報が入って混乱する事もあるけど、そこからアイディアが生まれてくる!

⚫論文に自分の気持ちを書いてはいけません!感想文ではありません、基本的構成にのって書く。いろんなスタイルを知る事が出来る。人が書いた形式を真似てみる。

⚫看護・医学論文の基本的構成
1.はじめに
2.対象と方法
3.結果
4.考察
5.結論
6.引用文献

⚫論文が書けないのはどうしてか?
たくさん論文読まないと身につかない!
自分の関心のある論文を読む!
要約をまず読んでみよう!
⚫良い論文は学術雑誌に掲載されてる!
学会が出してる学術雑誌(日本看護科学学会誌、日本看護研究学会誌、日本がん看護看護学会誌)と、商業雑誌(看護研究、看護学雑誌、月刊ナーシング、エキスパートナース)

⚫原著論文を読んだ方がいい。

⚫講師の先生は、出来上がった論文を実践する現場で働いてる仲間10人くらいに、論文送って赤ペンでチェックしてもらっている。
書いたものは、必ず人に読んでもらう。

⚫読みたくなる論文を書けるためのスキルは?
・文献検索方法
・批判的読解法
・論文の形式
以上の3点を最低限知らなければいけない。

⚫テーマ設定のポイント
現場に近い形のテーマ、そもそも予備知識のないまま問題点は出てこない。
これがないと、前には進みません。思いつくままメモしていく。臨床現場で解決すべき、実現可能なテーマを決める。

⚫キーワードもとに 文献検索を行う、見つけた論文のキーワードを見てみよう。
良い論文に目をふれることで目が肥えてきます。

⚫資料を集める。
・図書の場合、ジュンク堂で買う、アマゾンで買う、学会は専門の本がたくさんあるから買う。
・雑誌論文の場合、大学や医療機関にある図書館にて「医学中央雑誌」などによる検索・コピー。日本看護協会HP。看護協会会員は無料で?医学中央雑誌検索できます。
⚫文献検索は時間とお金と相談すべし。
⚫司馬遼太郎の伝聞…司馬遼太郎は、「竜馬がゆく」を書くために、全国の古本屋で竜馬に関する文献を総ざらいしたそうです。
⚫新しい文献や新書から情報入手する。
⚫「医学中央雑誌」で検索できない場合は、最近私は、Google schlar、グーグルスカラー機能を使って検索する事をオススメしています。キーワードを入れAND検索、これだと思ったののPDFをクリックしてコピーする。
関心のある学会も検索できとても便利です。
⚫論文や文献集めたら、何がエッセンスになるか整理してメモする。
⚫読む、見る、見る、書く。書く事はすごい苦手で大変な作業。何をするのか箇条書きにする、一つのストーリーとして、箇条書きにしてみる。考察は一番すっごい難しい!目的に対する答えを結論に書く。研究テーマに関する引用文献や最新図書使う。あと上手く図表を作る。
⚫アンケート調査した事は図表にする。きれいな図表は、タイトルや正式な数値も入れていた方が良い。白黒で図表作る、論文を読まなくもわかるような図表を作る。
⚫インタビューは30分くらい。話しやすい質問する、はい、いいえで返ってくるような質問をしない。インタビュアーは訓練が必要。
話した事をメモしておく。研究には、量的研究、質的研究がある。MIX法は熟知している人がする事でかなり難しい。

⚫トピックセンテンス(頭出しの文章は)文頭におく。パタグラフの長さ、目安として30字〜80字。簡単なアウトラインを箇条書きで作る。アウトラインが成長してパラグラフになる。書いてみたら時間をおいてから自分で読み返してみる。他の人に読んでもらって、意見、コメント、ツッコミを入れてもらう。

⚫タイトルは論文の顔!略語は使用しない。いつ、どこで、だれが、何を、どのようにと、わかるようなタイトルでも良い、イメージしやすい。
⚫以前、協同病院が退院支援に向けて過去の看護記録をさかのぼって調べて、素晴らしい発表内容が過去にありました。

⚫テーマ
①緒言・はじめに…この中にパラグラフ。最後にこの研究の目的を書く。エビデンスがあるという事を伝える為に引用文献の言葉使いながら入れる。パクるんじゃなくて書き方のスタイル。だから私達は研究するんだよって事を入れる。
②研究方法…分析対象者は誰か?物か?分析方法、倫理的配慮。論文の質を表します。研究方法がキチンと書いてないとダメ。第三者がみても同じ様に出来るように書く。
③結果…事実を書く。カテゴリ別に結果説明。図表は3個や4個。図表に書いてある事はかいつまんで説明する、結果には、引用文献入れてはダメ、事実だけ。考察に入れたい事、結果を簡潔に書く、ダラダラ書かない二行くらい。
④考察…最初に2、3行で結果から得られた事を書く。優先順位が高い話し先に(言いたかった事)、引用文献を使う。あと研究に完璧はありえない、研究の限界を書く(次のステップ、今後の課題など)こういう風に書くとわかりやすい。
他人の意見は使用して良いが、誰の意見であるか明記する、出どころを必ず明記します。訴えられます…。

※結果によって、最初に書いた目的の変更、タイトルの変更もありえる。
※引用の方法、出来るだけ間接引用を使用する(引用分を自分の言葉で要約して書く)。
雑誌などは著作権者の許可を得る。
孫引きはしない。
※原稿は必ず読み返す、第三者にみてもらう。

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