2020/1/27 南部糖尿病ネットワーク
★3月に予定していた第97回南部糖尿病ネットワークは、コロナウイルス感染予防のため、延期します。状況が落ち着いたら再開予定です。
第96回の勉強会は、歯についてでした。
糖尿病だけではなく、体全体に歯が関わっていることはもう常識になりつつあります。今回は、それを再認識する良い機会になりました。講師の大城さん、知念さん、また神農先生、大変ありがとうございました。
とにかく、歯磨きをきちんと。30回噛みましょう!この2つですね。
口腔と全身状態の関わりについて
~病棟で働く歯科衛生士から伝えられること~
西崎病院 歯科衛生士 大城静絵 知念久美子
- 口腔内の廃用
唾液の役割について
○口腔内の乾燥から高血糖による脱水が分かるときもある。
○急激な歯周病の悪化から、全身状態の悪化も分かることがある。
- 口腔内は、皮膚や皮下脂肪に覆われていないから、血管や血液の状態がわかりやすい。
- 歯周病と糖尿病
歯周病菌からの内毒素→TNF-α→インスリン分泌低下
糖尿病が悪化すると、歯周病も悪化
歯周病が悪化すると、糖尿病も悪化
歯周病を改善すると、HbA1cが改善したという報告あり。
- 歯周病は歯槽骨という歯を支えている骨を壊してしまう→歯を失う原因に。
- 歯周病が口腔全体にあるとすると、手のひらの大きさくらいの面積で炎症が起こっていることになる。
- 歯周病の治療には、とにかく、口腔内を清潔にすること。
咀嚼と美と健康
南部徳洲会病院 歯科口腔外科 神農悦輝先生
- ポイント!ひとくち30回噛んで食べるには
30分とか、時間を設定する。それ以内に食べ終わると、飯を追加せずに、ガムを噛む!
- 男の代謝ピークは18歳、女は15歳。その後はだんだん落ちてきて太りやすくなる。
40歳になるころには、男性は7kg、女性は6kgも18歳の頃よりも脂肪が増加する。
- 弥生時代は一度の食事で4000回くらい噛んでいた。食事時間も50分。
昭和初期には 1400回。30分。一口で噛む回数は30回くらい。
現代は、 600回、10分。一口で噛む回数は10回くらい。
顎が弱くなってきていることで、顎関節症もある。顎関節症は、1950年代は殆どなかった。
- よく噛むと食欲をコントロールすることが出来る。
食べると
まず胃から、グレリンがでる。20分くらい。空腹時には血中濃度が増加、食欲を増す働き。
その後、腸管からGLP-1が出て食欲抑制になる。
- 40回噛むと、痩せていても太っていても、エネルギー摂取量が少なくなる(JAMA)。
- 噛むことで、表情筋も鍛えられ、口元が上がって若々しく見える。首もスッキリする。
- 噛むと脳の血流量が増える。しかも高齢者のほうが血流量が増える。マウスの実験でも硬いものを食わせて咀嚼回数を増やすと、記憶力が良くなることがわかっている。
- 噛むことで、ストレスも減る。ガムでも良いかな。