西崎病院ブログ

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2018年5月

《 白銀病院ミニ勉強会 》

5月23日水曜に白銀病院でオルニュートという栄養補助食品の勉強会をしました。オルニチンやビタミンCなどが含まれており、創傷治癒の助けになりそうです。
褥瘡患者さんが早く良くなるようにケアも含めて日々精進していきます。

※2018年4月より白銀病院は、医療法人以和貴会西崎病院が運営しています。

平良民子先生、安谷屋茂男先生の歓送迎会

5月18日に平良民子先生、安谷屋茂男先生の歓送迎会を行ないました。
平良先生は血液内科が専門ですが、他にも総合内科医としてたくさんの患者さんを診て頂き、当院の発展や医療レベル向上に大きな貢献をされました。勤続年数は20年以上、もっと長い人はもう数人しかいないようです!大変ありがとうございました。6月からは愛誠園クリニックの院長です。今後もよろしくお願いします。
安谷屋先生は、呼吸器内科が専門で、県立南部病院の院長、沖縄第一病院の院長などをされて来られました。とても仕事熱心な先生です。少しでも追いつけるように我々も頑張りたいと思います。

 

第87回 NDN(南部糖尿病ネットワーク)に参加しました!

5/14に南部医師会館でNDNが行われました。今回のテーマは肝臓です。琉大の山川房江先生、前城達次先生のとてもわかりやすい話で勉強になりました。ありがとうございました。

講演会メモです。(知識の自己消化用なので違うことを書いているかも知れません)

 

脂肪肝は予防できる。~琉球大学医学部附属病院における栄養指導~肝臓に優しい食事教えます~

  琉大病院 栄養管理部 副部長 山川房江先生

 

  • 琉大の肝疾患栄養指導の平均年齢は約50歳。BMI2530が多い。
  • BMI30を超えると脂肪肝発症率80%
  • 栄養指導の個人指導では、Inbodyで体組成の測定をするようになった。
  • 正常の肝臓には35%の中性脂肪が蓄えられている。30%以上だと脂肪肝になる。
  • NASHになぜなるの?

・高インスリン血症、活性酸素、鉄の蓄積→これらを改善することが大事。

  • 肥満は肝癌のリスクファクター
  • ガイドラインより

・摂取不足がNAFLD発症の危険因子のもの:魚類・ω3系脂肪酸、食物繊維。

 ・腸内細菌もNASH/NAFLD悪化と関連しているかも。

 ・低カロリー食では、摂取量の適正化を優先、比率では脂質を減らすこと。

  • 体脂肪1kg7000kcal、コンビニのツナマヨおにぎり30個分!
  • 米の適正な量の目安として、両手でまるく茶碗型を作って、すりきり量くらいのご飯であれば、だいたい本人の適正量。(1回はちゃんと計量して確認しましょう)
  • 魚介類接種第一位:青森県37376g。沖縄県は最下位 20499g
  • トランス脂肪酸は肝細胞のアポトーシスを促進させる。クッキーのサクサク成分(ショートニング)に多いですね。
  • 一般野菜の抗酸化活性(100gあたり)が多いのは、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜、水菜など。
  • 野菜は1350g以上食べるのが理想。だがなかなか現実は。。。。
  • 玄米は白米の12倍のビタミンEが含まれている。
  • 食物繊維の多い食事をゆっくり食べましょう。満腹感がよく出る。
  • 鉄過剰は肝臓に良くない。

・コツ:レバー・青魚・血合い部分・海藻類を控える。

 

 

 

生活習慣病関連の肝疾患   

琉大病院 第一内科 特命講師 前城達次先生

  • 沖縄の肝硬変の原因は4割がアルコール(日本の平均は13.6%)。琉大でも56割。
  • 九州肝癌研究会の調べでは、おそらく2017年には肝がんの原因トップがC型からnonB,Cになるだろう。
  • 沖縄のHBVは大人しい遺伝子型が多い、HCV感染者も少ないので、肝がん死亡率はまだ低いが、今後はアルコール性肝硬変からの肝がん死が増えそう。
  • アルコールの吸収は胃が20%、小腸が80%。空腹で飲むとイッキに小腸に行くので良くない。
  • AUDITスコア(飲酒習慣スクリーニング検査)というのがある。15点以上はヤバイ飲み方している。沖縄は若い男女がヤバイが、50代以上の女性は全国平均より良い。
  • 未成年の飲酒経験は減ってきている。
  • ある程度の患者さんは断酒することで肝臓の働きは戻る。しかし進行してしまうと戻れないどころか、進行が止まらなくなる。
  • どこで断酒すれば大丈夫か?わからない。やめるなら今!
  • 断酒しても、12年はいろいろ病気が出てくる。その期間を頑張ればなんとか生き残れる。
  • 少ない1回飲酒量では1週間あたりの回数に関係ない。
  • 1回飲酒量が多くても週に12回程度であれば大丈夫かも?
  • 「飲酒しなくても大丈夫」という感覚を自覚すること!

 

  • NAFLD/NASHの原因として、以前はtwo hit tyeoryと言われていたが、最近はもっと複雑だということで、multiple parallel hit theoryとか言われている。
  • ガイドラインに載っている改善させそうな薬物はビタミンE(ユベラとか),ピオグリタゾン、スタチン、エゼミチブ、ARB
  • 体重を減らすと、肝線維化も良くなる可能性がある!
  • NAFLDの人が肝硬変まで進むのは5%。メタボ関連の病気、心疾患とかがやはり多い。
    生活習慣病の患者で肝疾患の危険な群をどう見分けるか。炎症:ALT

 線維化:FIB4index1.45がボーダーライン。ASTALT、血小板、年齢から出す。

  • 個人的にやっていること。

 ・糖質制限は長期的には効果が乏しいかな。糖質が多すぎるなら原料を。

 ・運動をしっかりと!有酸素運動、レジスタンス運動で脂肪を燃やす。

  • サルコペニアに関して、ミオスタチンが筋委縮を誘導する。
  • アンモニア代謝の際に、ミオスタチンが産生される→肝硬変の人はミオスタチンが高い。
  • ミオスタチンが高いと生命予後が悪い。
  • 肝疾患患者には、Inbodyなどでサルコペニアをチェックして行きたい。

www.kanzogenki.jp/

 

日本内科学会雑誌 105 1 号より

Pharmacological management of nonalcoholic fatty liver diseaseより

www.metabolismjournal.com/article/S0026-0495(16)30008-7/fulltext#t0005

 

西崎病院 内科:山城 武司

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