西崎病院ブログ

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2015年10月

インスリンの後発医薬品が出ました

インスリンの後発医薬品が出ました。 2015年8月に日本初のインスリンの後発医薬品が出ました。ランタス®の同成分の「グラルギン リリー」です。グラルギンはランタスの成分名、リリーは会社名です。後発医薬品と言えば、一般的にジェネリックと言われ… 続く

インスリンの後発医薬品が出ました。

2015年8月に日本初のインスリンの後発医薬品が出ました。ランタス®の同成分の「グラルギン リリー」です。グラルギンはランタスの成分名、リリーは会社名です。後発医薬品と言えば、一般的にジェネリックと言われますが、インスリンは化学製品ではなく、複雑な分子構造の遺伝子組み換え製剤なので「バイオシミラー」と呼ばれます。
薬価はランタスの2/3です。
インスリンはもともと高いので、かなり薬代の節約になると思います。例えば、ランタスソロスター(使い捨て型)は1本2525円(3割負担で757円)。グラルギンリリーカート(詰め替え型)は1本1031円(同309円)。工夫次第では、半額以下になります。患者さんにこのことを説明すると、安いねえ、助かる、という方がほとんどです。

上がランタスソロスター、下のごつい万年筆のようなものが詰め替え型のグラルギンリリーです。

詰め替えタンクを、万年筆みたいなもの(ヒューマペンラグジュラと言います)に装着して使います。ヒューマペンラグジュラは1本3000円(3割負担で1000円)しますが、3年使えます。3年というのはメーカーの言い分で、それ以上使っても問題はないようですが。。。。
西﨑病院  糸満市座波371-1
098-992-0055

糖尿病・健康長寿教室シリーズ 糖尿病と運動(透析予防)

(患者、スタッフ向け) 有酸素運動が腎臓を守り、健康寿命を延ばします。 有酸素運動とは、少し息がフーフーするくらいの軽い運動のことです。ウォーキング、サイクリング、水中歩行などです。 以前は、腎臓に障害のある患者さんは、運動は危険で、原則禁… 続く

(患者、スタッフ向け)
有酸素運動が腎臓を守り、健康寿命を延ばします。
有酸素運動とは、少し息がフーフーするくらいの軽い運動のことです。ウォーキング、サイクリング、水中歩行などです。

以前は、腎臓に障害のある患者さんは、運動は危険で、原則禁止と言われていました。
しかし最近では、適度な有酸素運動によって、腎機能が回復し、健康寿命が延びる効果があることが分かってきました。

eGFRが60以上(糖尿病腎症1期~2期):無酸素運動(レジスタンス運動)も含めて、どんな運動も原則OKです。
eGFRが30~60以下(糖尿病腎症3期):有酸素運動を積極的に行うことで、腎保護作用が出ます。あまり運動してなかった人は、少しずつ歩数を増やしていきましょう。
eGFRが30以下(糖尿病腎症4期):過度の運動は腎臓に負担をかけることがあります。しかし、全く運動しないのも体に良くないです。定期的に適度な有酸素運動を続けることが大切なので、主治医と相談しながら、自分に適した運動を行うようにしましょう。

もちろん、過労はよくありません。
いくら運動が良いからといって、いきなり一生懸命始めることは禁物です。無理のない程度から始めて、少しずつ増やしていきましょう。

また、心臓が悪い人や、糖尿病網膜症が悪い人は、運動が禁止される時もあります。主治医に確認してください。

有酸素運動:脈がだいたい100~120拍/分くらいがおススメ。少し息が上がる位の運動。
歩行:だいたい10分で1000歩。1万歩は100分。
1回有酸素運動をすると、血糖の下がりやすい体質が翌日まで続く。(消費された肝臓のグリコーゲンが満タンになるのに1日かかるため)

運動自体では、血糖も体重もあまり変わらない。しかし数字は変わらなくても健康寿命が大幅に延びることが分かっている!

西﨑病院  糸満市座波371-1
098-992-0055

糖尿病・健康長寿教室シリーズ 尿たんぱく検査(透析予防)

(患者、スタッフ向け)分かりやすく説明するために、やや科学的でない表現もあります。 腎臓は、血液をろ過して、いらない物を尿として出す大事な臓器です。腎臓が悪くなると、尿毒症といって身体に毒がたまり、最終的には死んでしまいます。糖尿病の合併症… 続く

(患者、スタッフ向け)分かりやすく説明するために、やや科学的でない表現もあります。

腎臓は、血液をろ過して、いらない物を尿として出す大事な臓器です。腎臓が悪くなると、尿毒症といって身体に毒がたまり、最終的には死んでしまいます。糖尿病の合併症として腎症があります。あまり自覚症状がなく、気づいたときは透析寸前まで腎障害が進んでいることもあるので、定期的なチェックが必要です。
糖尿病や高血圧、肥満で腎臓は壊れていきますが、今壊れているかどうか簡単にわかる検査があります。それが尿たんぱく検査です。

尿たんぱく:腎臓が壊れていると(+)になる。壊れるのが止まれば(-)になる。

厳密には壊れていても(-)になることも、その逆もありますが、簡単に安くできる検査として広く使われています。
まずは、尿たんぱくが(-)になることを目指しましょう。

尿たんぱくが(-)の人でも、隠れ尿たんぱくが出ている人がいます

尿たんぱくが少ししか出ていない人は、ふつうの尿検査では(-)になります。
しかし、微量アルブミンというものを検査すると、少ない尿たんぱくでも検出できます。微量アルブミンが出ている人は、腎臓が壊れ始めた事を表していることが分かっており、糖尿病腎症2期と言われます。当院では、「尿アルブミン/Cre補正」が30以上で、微量アルブミンが出ている事になります。

尿アルブミン/Cre補正:30mg/mg・Cre以上で、糖尿病腎症2期。

アルブミン比が30以上の人は、それ以下を目指しましょう。

腎臓を守るには、やはり
①血圧120台、②禁煙、③血糖(HbA1c7%未満)、④肥満の解消、が大事!!

補足
eGFR:(推定糸球体ろ過量)腎臓でろ過器の役割をする糸球体の推定ろ過能力。
尿たんぱく、微量アルブミン:腎臓の糸球体が壊れると、出てくる。

尿たんぱくや微量アルブミン:腎臓が今現在壊れているかどうかを見る。
eGFRやシスタチンC:腎臓の性能を見る。
⇒尿たんぱくがずっと陽性であれば、eGFRはだんだん低下していく。
逆に、尿たんぱくが陰性になれば、eGFRの低下は止まり、上昇することもある。(ただ実際はeGFR30以下だと上昇することはかなり難しくなる)

尿たんぱく、微量アルブミンが両方とも陰性でも、腎機能低下が来る人もいる。
(IgA腎症、膠原病、高血圧などによるCKDでは尿たんぱく陰性で潜血がでたりする。)
道じゅねー

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