2026年3月末から4月末まで、身障施設ソフィアでヒトメタニューモウイルス(hMPV)の集団感染が発生しました。3月末から4月初めに4名続けて西崎病院へ入院したので、4人目の患者さんに呼吸器病原体マルチ検査(FilmArray 呼吸パネル2.1)をしたところ、hMPVの感染が判明しました。そこで、同施設からの入院患者および外来患者を検査したところ、最終的に6名の hMPV感染が判明し、集団感染として、入院治療および施設での感染対策を実施しました。残念ながら1名の患者さん(基礎疾患あり)が肺炎で亡くなりましたが、その他は早期に感染拡大を防ぐことはできました。5月の連休前に集団感染は終息し、ホッとしているところです。施設および病院の職員の皆さん、お疲れ様でした。今後も、油断せずに感染対策に頑張りましょう。
病院長 山城清二
(今後のために、hMPV感染についてまとめました)
【ヒトメタニューモウイルス感染症】
ヒトメタニューモウイルス感染症は、2001年に発見されたウイルスによる呼吸器感染症で、RSウイルスとよく似た症状を引き起こすのが特徴です。
例年3月から6月にかけて流行のピークを迎えますが、一年を通じて発生が見られます。
(主な特徴)
症状: 咳、鼻水、発熱といった「風邪」のような症状から始まります。
発熱: 38度以上の高熱が4〜5日程度続くことがあります。
呼吸器: 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)や激しい咳を伴いやすく、重症化すると気管支炎や肺炎を引き起こします。
対象: ほとんどの人が5歳までに初感染を経験しますが、終生免疫はつかないため、大人になっても生涯を通じて再感染を繰り返します。乳幼児や高齢者、基礎疾患のある方は重症化しやすいため注意が必要です。
潜伏期間: 感染から発症まで通常4〜6日程度です。
診断:呼吸器病原体マルチ検査等
治療: 特効薬(抗ウイルス薬)やワクチンは存在しません。症状を和らげる「対症療法」が基本となり、解熱剤や去痰薬などが処方されます。細菌性肺炎を合併する場合は抗菌薬治療。


